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人魚伝説

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人魚伝説
ヴィック・ド・ドンデ / 富樫瓔子
荒俣宏 監修
「知の再発見」双書 創元社 1993

上半身が人間で下半身が魚という人魚のイメージはどのようにしてできあがったのか。ホメロスが描いた,オデュッセウスを誘惑する人魚(セイレーン)には,その姿の記述はなかった。以降300年にわたり,いろいろな解釈を施してゆく。イメージの歴史と博物誌。

目次
第1章 セイレーンの歌声の魅惑
第2章 セイレーンから人魚へ
第3章 人魚の正体
第4章 人魚姫
資料篇―人魚・そのイメージの変遷
 怪物と博物学の出会い
 古代の神話
 中世の想像界における驚異
 博物学者たちにとっての謎
 人魚、詩人たちの詩神
 東洋の人魚
 日本の近代文学の中の人魚
 人魚はまだ生きている

古代ギリシアから近代まで、世界各地で語られる人魚伝説を豊富なカラー図版と共に紹介。ホメロスの『オデュッセイア』に登場した怪物セイレーンは、キリスト教世界では罪の象徴として描かれ、その後マナティーと混同されるも、18世紀にリンネが哺乳類に分類、アンデルセン(ディズニー)の「人魚姫」以降は、セイレーンの美しい歌声こそ引き継いでいるものの、吸血鬼的な恐ろしさは完全に払拭され、純真さの裏にエキゾチックな性的魅力を併せ持つ存在に。本編を読めば人魚イメージの変遷をざっと知れるが、博覧強記で読んでて面白いのは資料編。

現代的な童話のイメージとはかけ離れた怪物として描かれている図版が多くて、興味深いです。
監修荒俣先生資料編最初の「図鑑の博物誌」引用が幻想生物に関する全体的な見取り図として参考になりました。(レビューより)

カラー図版多数

カバーに少しスレが見られますが中はとてもきれいです。

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カテゴリー:本・雑誌・漫画>>>本>>>人文
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